LEDビジョンは「契約時 100% 前払い(着金確認後に製造開始)」

LEDビジョンの導入検討が進み、いざ見積書を受け取ったとき。
多くの経営者や決裁者がその「支払い条件」に目を疑います。

数百万円から、時には数千万円に及ぶ高額な設備投資であるにもかかわらず、製品が手元に届く前に全額を支払う。一般的な企業間取引(掛売りなど)に慣れていると、この条件は非常にリスクが高く、受け入れがたいと感じるかもしれません。

しかし、デジタルサイネージ業界において、この「前払い」は決して理不尽な要求ではなく、極めて合理的な理由に基づいた標準的な商習慣なのです。 今回は、なぜLEDビジョンは前払いが原則なのか、その背景にある製造プロセスとリスク管理の観点から解説します。

※販売会社によっては製造時70%・製品到着後30%支払い条件などがある場合もあります。


家電とは違う。「在庫」が存在しない「完全受注生産(BTO)」

最大の理由は、LEDビジョンがテレビのような「完成品在庫」を持つ製品が少ない、という点にあります。

北海道札幌の株式会社ビットバレーが提供しているLEDビジョンはMade for youが基本。だから注文(着金)を受けてから製造販売しています。

LEDビジョンは、お客様の設置環境に合わせて、1mm単位でサイズを決め、最適なピクセルピッチや輝度を選定します。「A社の会議室用」と「B社の屋外看板用」では、たとえ同じ製品であったとしても、使う部品も設計図も全く異なります。

つまり、すべての案件が「あなたのためにゼロから作るオーダーメイド品(Made for You)」であり、業界用語で言うBTO(Built To Order / 完全受注生産)なのです。

在庫リスクがない代わりに、注文が入るまで製造ラインは動きません。契約が確定し、代金が支払われて初めて、あなたのための部材調達と製造枠の確保がスタートします。

ビットバレーでは基本的にMade for Youで販売しておりますが、在庫品を扱うこともございます。
弊社で販売する在庫品はメーカーが販売促進で多く製造した出来立ての在庫品であり、長期在庫品は販売しておりません。


高額な原材料費を先に支払う「キャッシュフロー」の構造

LEDビジョンの原価の大部分は、数百万個に及ぶ「LED素子(ランプ)」や高性能な「ICチップ(ドライバー)」などの部材費が占めています。

メーカー(工場)がこれらの部材をサプライヤーから仕入れる際、多くは現金での支払いが求められます。特に高品質なチップを指定する場合、その調達コストは莫大です。

もし後払いで受注した場合、メーカー側が一時的に数千万円単位の製造原価を立て替えることになります。これは中小規模のメーカーにとって致命的なキャッシュフローの悪化を招きかねません。 健全な製造体制を維持するために、部材調達の原資として前金が必要不可欠なのです。


納品直前に行う48〜72時間の「エージング(負荷テスト)」

「受注生産だと納期がかかる」とネガティブに捉えられがちですが、この期間には「エージング」と呼ばれる非常に重要な工程が含まれています。

LEDビジョンは、組み立てて終わりではありません。 工場から出荷する前に、48時間から72時間、映像を流しっぱなしにする負荷テストを行います。これをエージングと呼びます。

LEDビジョンのエージングは製造工程の最終段階。長時間様々な点灯試験を行い、不具合があれば修正。製品品質を保つために必要な作業です。
ledvision aging image

なぜエージングが必要なのか?

電子機器の故障は、使い始めに発生する「初期不良」が最も多いと言われています。 工場でわざと過酷な連続稼働テストを行うことで、将来故障しそうな弱い素子や、ハンダ付けの不備をあえてこの段階で洗い出し、交換・修理してから出荷します。

在庫品として倉庫に長期間眠っていた製品は、このエージングの効果が薄れている(保管中に湿気を吸ってしまっている)可能性があります。 「作りたて」の状態で、直前に「厳密なテスト」をパスした製品だけを出荷する。 このプロセスを経るからこそ、お客様の手元に届いた瞬間から安心してアクセル全開で稼働できるのです。

製造着手後の「キャンセルリスク」回避

完全受注生産であるがゆえに、製造が始まった後に「やっぱりキャンセルしたい」と言われた場合、その製品を他に転売することは不可能です。

仕入れた高額な部材はすべて廃棄ロスとなり、メーカーや販売代理店は甚大な損害を被ります。 建設業界で家を建てる際に「着手金」や「中間金」が必要なのと同様に、特注品であるLEDビジョンにおいても、製造に着手するための担保として前払いが必要となるのです。


「鮮度」を保つための運用ルール:電源は切らないで!

前払いで「新鮮な(湿気を含んでいない)」LEDビジョンを手に入れても、その後の運用方法を間違えると台無しになってしまいます。

電源ONが最強の湿気対策

先述の通り、LEDは湿気が大敵です。設置後であっても、電源を切って放置すると空気中の湿気を吸収してしまいます。 しかし、電源を入れて通電させておけば、LED素子自体が発する熱によって内部が常に乾燥状態に保たれます。これが最も効果的な湿気対策になります。
湿気がすぐにLEDビジョンに影響するわけではありませんが、結露対策はしないにこしたことはありません。

おすすめは「24時間ブレーカーON」

屋外設置のLEDビジョンや結露が多い場所に設置しているLEDビジョンは年末年始や長期休暇などで映像を流さない場合でも、大元のブレーカーは落とさず、電源は入れたまま(黒画面表示やスタンバイ状態)にすることを強く推奨します。

長期間ブレーカーを落として完全に冷え切った(湿気を吸った)状態で、いきなりフルパワーで稼働させると、内部で水分が爆発して故障するリスクが高まります。 LEDビジョンは「基本的に電源を入れっぱなしにするもの」と認識してください。
映像が何も映っていない状態であれば電気料金も気になるほどかかりません。

信頼できるパートナー選びが重要

このように、「前払い」は業界として合理的な仕組みですが、発注側(お客様)からすれば「お金を払ったのに会社が倒産してモノが届かない」というリスク(カウンターパーティリスク)を負うことになります。

だからこそ、導入企業の選定は慎重に行う必要があります。

私たち株式会社ビットバレーは、札幌・北海道に根ざした企業として、お客様の不安に寄り添い、誠実な取引をお約束します。