このLEDビジョン、交換した四角い部分だけ色が違わない? 逆に目立ってない?
LEDビジョンの一部が故障した際、その部分の部品(モジュール)を新品に交換することがあります。
しかし、修理が終わって電源を入れた瞬間、お客様からこう言われることがあります。
直したはずなのに、まるで継ぎ接ぎ(パッチワーク)のように、交換した部分だけが「明るすぎる」あるいは「微妙に色味が違う」という現象。
これは施工ミスではなく、LEDというデバイスの特性上、どうしても避けられない物理的な現象です。

今回は、なぜこの現象が起きるのか、そしてプロはどうやってその色を馴染ませているのかを解説します。
原因①:LEDは「生き物」のように老化する
最大の原因は、既存のパネルと新品パネルの「鮮度の違い」です。
LED素子は、使用時間とともに徐々に輝度(明るさ)が落ちていきます(減衰)。 例えば、3年間毎日稼働させたLEDビジョンは、設置当初に比べて輝度が80%〜90%程度に下がっていることがあります。
そこに、輝度100%の「新品のモジュール」をポンと嵌め込むとどうなるか? 周りの使い古したパネルに比べて、新品の部分だけが元気すぎて(明るすぎて)、白く浮いて見えてしまうのです。 これは、色褪せたジーンズの一部に、新品のデニム生地を縫い付けるのと同じ原理です。
原因②:製造時期による「ロット違い」
もう一つの原因は、製造ロット(Batch)の違いです。 「LED素子のメーカー」について触れましたが、同じメーカーの同じ型番の製品でも、「2023年に作ったもの」と「2026年に作ったもの」では、発色や明るさが微妙に異なります。
これを「ビン(Bin)ランクの違い」と呼びます。 塗料や壁紙を追加注文した時に「微妙に色が合わない」のと同じで、製造時期が異なると、完全に同じ色を再現するのは物理的に不可能なのです。
解決策①:最初が肝心!「予備パーツ」の同時購入
この問題を回避するための唯一にして最強の方法。 それは、「本体購入時に、同じロットの予備モジュール(スペア)を5%〜10%ほど一緒に買っておくこと」です。
将来故障した時、メーカーから新品を取り寄せるのではなく、倉庫に保管してある「本体と一緒に作られた双子の兄弟(予備)」を使って修理します。 これなら「ロット違い」による色差は発生しません。
後から「予備が欲しい」と言っても、もう同じロットは生産終了していることがほとんどです。予備パーツは「保険」として、最初に必ず買ってください。
解決策②:プロの技「キャリブレーション(画質補正)」
「同じロットの予備を使ったのに、予備は新品だからやっぱり明るすぎて浮いてしまう…(原因①のケース)」 そんな時に登場するのが、私たちプロの技術「キャリブレーション(補正)」です。
LEDビジョンの制御システムには、モジュール単位、あるいは1ドット単位で明るさを調整する機能(Chroma/Brightness Calibration)が備わっています。
- 輝度合わせ:
- 新品のモジュールの輝度係数だけを下げて、周りの劣化したパネルの明るさに合わせます。
- ※逆に、古いパネルを明るくすることはできません。低い方に合わせるのが鉄則です。
- 色度合わせ:
- 赤みが強い、青みが強いといった微差を、システム上で数値をいじって馴染ませます。
この作業には高度な技術と測定器が必要ですが、これを行うことでパッチワーク状態を解消し、一枚の自然な画面に戻すことができます。
売って終わりの業者にはできない「維持」の技術
「LEDビジョンが故障した」 その時、ただ新しい部品を送ってくるだけの業者か、それとも「輝度差が出ることを見越して調整までしてくれる(あるいは調整方法を教えてくれる)業者」か。 ここが、長期的な運用におけるパートナー選びの分かれ道です。
株式会社ビットバレーでは、導入時に適切な量の予備パーツ(同一ロット)の確保をご提案するとともに、交換後のキャリブレーション作業も含めたメンテナンス体制を整えています。
「他社で買ったビジョンの色が合わなくて困っている」といったご相談も可能です。 諦める前に、ぜひ一度お問い合わせください。

