LEDビジョンの導入を検討する際、ついつい「ピクセルピッチ(細かさ)」ばかり気にしていませんか? 実は、映像の美しさと、設置後の「故障率」を決める要素はそれだけではありません。
「輝度(明るさ)」「コントラスト」そして「LED素子のメーカーブランド」。 ここを間違えると、「昼間は見えにくい」「半年で色が変になった」といった失敗に繋がります。
今回は、カタログスペックを正しく読み解き、業界の裏側にある「メーカー格付け」まで踏み込んで解説します。
そもそも色は「3つの光」でできている
LEDビジョンの最小単位である「1ドット(画素)」の中には、赤(R)・緑(G)・青(B)の3つの小さなLEDランプが入っています。これを「3 in 1 SMD(表面実装型)」と呼びます。
この3色の光の強さを調整して混ぜ合わせることで、フルカラーを表現しています。 重要なのは、「黒 = 光っていない(消えている)状態」だということです。これが後の「コントラスト」の話に大きく関わってきます。
「輝度(カンデラ)」の目安と注意点
輝度とは、画面の「明るさ」のことです。単位はcd/m²(カンデラ毎平方メートル)やnits(ニト)が使われます。
設置場所別の推奨輝度
- 屋内用(800 〜 1,200cd/m²):
- 室内照明に負けない明るさがあれば十分です。
- 屋外用(4,000 〜 6,000cd/m²):
- 直射日光(太陽光)に負けない強力な明るさが必要です。
- 西日が当たる場所(6,500cd/m²以上):
- 特に強い西日を受ける場所では、ハイブライトモデルが必要です。
【注意】夜間の「光害」対策
昼間の太陽に合わせた明るさのまま夜を迎えると、眩しすぎてクレームになります。外の明るさを感知して自動調光する「輝度センサー」の設置が必須です。
タイマーによる自動輝度調整もできます。北海道のLEDビジョンを多く目にしてきましたが輝度調整ができていないLEDビジョンが散見されます。少し残念です。

画質の決め手「コントラスト」と「素子の色」
コントラスト比とは、「最も明るい白」と「最も暗い黒」の比率です。
この比率を高め、映像を美しく見せるために重要なのが、LED素子(チップ)自体のボディカラーです。
① ホワイトフェイスLED(白い素子)
- 特徴: LEDチップの周りが白い樹脂で囲まれている。
- メリット: 白が光を反射するため、輝度(明るさ)を稼ぎやすい。
- 向いている場所: とにかく明るさ優先のロードサイド看板、屋上の巨大ビジョン。
② ブラックフェイスLED(黒い素子)
- 特徴: LEDチップの表面が黒く加工されている。
- メリット: 外光を吸収するため、「引き締まった深い黒」が表現できる。
- 【重要】屋外でのメリット:
- 太陽光の反射(ハレーション)を抑える効果が高いため、直射日光下でも画面が白っぽくならず、映像がクッキリと見えます。
- 向いている場所: 店舗のショーウインドウ、低い位置の看板、高級ブランドのサイネージ。
【業界の裏側】実はランクがある!主なLED素子メーカー6選
ここが今回の最重要ポイントです。 外見は同じに見えても、中身のチップメーカーによって「壊れにくさ」や「色の経年劣化」が劇的に異なります。 現在、LEDビジョン市場(パッケージメーカー)の主要プレイヤーをランク別にご紹介します。

① 日亜化学工業(Nichia) / 日本
- ランク: 👑 ハイエンド(別格)
- 特徴: 品質・信頼性は世界最高峰ですが、価格も非常に高額。現在は映画館やテレビ局など、特殊なハイエンド市場でのみ採用されています。
② Nationstar(ネイションスター / 国星光電) / 中国
- ランク: ⭐ 業界標準(トップブランド)
- 特徴: 世界シェアNo.1クラスの信頼性を誇ります。多くの日本メーカーが標準採用しており、長期運用の屋外看板ならここを選べば間違いありません。
- 豆知識: 内部配線が「金線(Gold Wire)」のものは日亜に迫る品質、「銅線(Copper Wire)」はコスパ重視です。
☆ビットバレーの販売する製品での導入率が一番高いメーカーです。
③ MLS(エムエルエス / 木林森) / 中国
- ランク: 🏭 量産型・高コスパ(ミドルレンジ)
- 特徴: LEDの生産数量で世界最大級を誇る巨大企業。圧倒的な大量生産により、品質を維持しながらコストを抑えています。「安くて良いもの」の筆頭候補です。
④ DSBJ(ディーエスビージェイ / 東山精密) / 中国
- ランク: 📈 急上昇中の実力派(ミドルレンジ)
- 特徴: Kinglight等の強力なライバルとして台頭している大手テック企業。Kinglightと同等の価格帯ながら品質が安定しており、「第3の選択肢」として日本国内での採用が急増しています。
⑤ Kinglight(キングライト / 晶台光電) / 中国
- ランク: 💰 コスト重視(エコノミー)
- 特徴: 低価格帯ビジョンの定番。初期コストを下げたいイベント用や、屋内利用に向いています。長期の屋外利用ではNationstar等に劣る場合があります。
⑥ Hongsheng(ホンシェン)など / 中国
- ランク: 📉 バジェット(格安)
- 特徴: 激安見積もりの正体は大抵これらです。
※あくまでもビットバレーの見解であり、LEDビジョン素子メーカーの品質を保証するものではございません。
【プロの視点】「チップ」と「パッケージ」の違いを知ろう
見積書を精査する際、業者に騙されないための知識です。 LED素子の製造には2つの工程があります。
- LEDダイ(Chip): 光る「石」そのものを作る(例:San'an、Epistarなど)
- LEDパッケージ(Package): 石を樹脂で固めて製品化する(例:Nationstar、MLSなど)
私たちが普段気にすべきなのは、2の「パッケージメーカー」です。
悪質な業者は「中身は一流のSan'an製チップだから高品質ですよ!」と言いますが、それを包むパッケージ技術が三流(無名メーカー)であれば、すぐに湿気が入って故障します。 「どこのチップか」ではなく「どこのパッケージ(ブランド)か」を確認するのが、失敗しないコツです。
6. どっちを選ぶ?失敗しない選び方
- 5年、10年と使う屋外看板
- 👉 「Nationstar製」(または予算に応じてMLS/DSBJ)
- 交換コストが高い場所ほど、信頼性にお金をかけるべきです。
- イベントや屋内の短期利用
- 👉 「Kinglight製」
- コスパ重視で十分機能します。
- 高級感・画質重視
- 👉 「ブラックフェイス」 + 「Nationstar製」
- 黒の締まりと色の再現性を最優先します。
ビットバレーは「素子」まで開示してご提案します
「LEDビジョンなんてどれも同じ」ではありません。
株式会社ビットバレーでは、お客様のご予算と用途に合わせて、「Nationstar」を中心に、「MLS」「DSBJ」など信頼できるメーカーの素子のみを選定します。
「他社の見積もりが安すぎるけど、大丈夫?」
「このメーカー聞いたことないけど平気?」
そんな不安があれば、ぜひセカンドオピニオンとしてご相談ください。
プロの視点でスペック表を鑑定します。


