LEDビジョンの選定・設置

導入することが目的ではない、効果を考えた導入

LEDビジョンを導入する際に注意すること、製品の選定基準をご説明しております。

液晶ディスプレイとLEDビジョンの比較

  1. 明るさと視認性
    液晶モニター: バックライトの明るさに依存し、特に屋外での視認性が劣ることがあります。
    LEDビジョン: 非常に高い明るさを持ち、屋外でも視認性が高いです。
  2. 視野角
    液晶モニター: 視野角が狭く、角度によって色が変わることがあります。
    LEDビジョン: 一般的に視野角が広く、さまざまな角度からでも見やすいです。
  3. サイズとスケーラビリティ
    液晶モニター: 大型のモデルもありますが、サイズには限界があります。マルチモニターにすることで大型ディスプレイを構成できますが、枠が出てしまいます。
    LEDビジョン: 大型ディスプレイに最適で、モジュール方式で容易に拡張可能です。
  4. 5. 解像度
    液晶モニター: 高解像度が可能で、特に小型モデルは細かい表示が得意です。
    LEDビジョン: ピクセルピッチによって解像度が変わり、近距離での表示には注意が必要ですが、大型ディスプレイでの視認性は高いです。
  5. コスト
    液晶モニター: 一般的にはコストが低く、広く普及しています。
    LEDビジョン: 初期投資が高いですが、長期間使用する場合は耐久性やメンテナンスコストを考慮する必要があります。

選定から設置・運営までの流れ

  1. 設置場所の現地調査(取付位置と取り付け方法の検討・電源の有無・通線ルート・明るさ・重量など)
    屋外広告物申請必要有無・景観条例の確認などもお客様と一緒に確認いたします。
    LEDビジョンではなく液晶が向いている環境の場合は液晶モニターをご提案いたします。
  2. 機材の選定・設置に必要な金具等の検討・御見積(運営方法や保守についても検討します)
  3. 海外メーカーへ発注
  4. 輸入・納品
    受注生産品:製造45~70日程度・輸送7~30日程度
    在庫品:輸送7~30日程度
  5. 設置工事・設定
  6. 放映開始
  7. 必要に応じて調整・メンテナンス・修理

LEDビジョン選定で考慮すること

  1. 解像度
    ピクセルピッチ(mm): 視聴距離に応じた適切なピクセルピッチを選ぶことが必要です。
    近距離で見る場合は小さいピッチ、距離が離れている場合は大きいピッチが適しています。
    <参考>推奨視認距離
    1.2 mm 1.2 m 以上
    2.5 mm 2.5 m 以上
    3.9 mm 3.9 m 以上
    5.0 mm 5 m 以上
    10 mm 10 m 以上
  2. 明るさ(輝度)
    ルクス(cd/m²): 屋外用の場合は高い明るさが必要で、逆に屋内用は中程度で十分なことが多いです。
    屋内から屋外へ放映する場合は屋外と同程度の明るさが必要になります。
    ガラスの反射を考慮して見やすくなるフィルムを貼るなどの対策が必要になることがあります。
    製品によっては時間や周囲の明るさに応じて明るさを調整する機能があります。
  3. 視野角
    視認性を確保するために、特に大型スクリーンの場合は広い視野角を持つ製品を選ぶことが重要です。
    縦横で視野角が違う製品があるので、設置方法には注意が必要です。
  4. 耐久性
    防水・防塵性能(IP規格)や耐衝撃性を確認し、使用環境に適したものを選ぶ必要があります。
  5. 色再現性とSPWM対応
    広告などの高い色再現性が求められる場合は、発色の良い製品選定が必要です。
    コントラストが高い黒色素子を使用したLED製品もあります。
    再撮(ビデオカメラやスマートフォンなどで撮影)を考える場合はチラツキ感の少ない
    SPWM対応のICが搭載された製品が必要です。
  6. 価格
    初期投資だけでなく、メンテナンスコストや電気・通信費等の運用コストも含めた総合的な費用を評価します。

LEDビジョン基板の種類と特徴

  • GOB(Glue on Board)
    LEDチップを基板に直接接着し、エポキシ樹脂などで保護します。
    耐衝撃性: 耐久性が高く、衝撃に強いです。
    視認性: 表面が平滑で、均一な輝度が得られます。
    屋内製品で使用されることが多かったのですが、屋外用に紫外線劣化に強いGOB製品が登場しました。
  • COB(Chip on Board)
    LEDチップを基板上に直接接続し、複数のLEDを一つのモジュールとして使用します。
    高密度実装: 小型化が可能で、ピクセルピッチを小さくできます。
    熱管理: 効率的な熱放散ができ、熱による劣化を防ぎます。
    均一な発光: 輝度が均一で、高品質な表示が可能です。
  • SMD(Surface Mount Device)
    表面実装技術を用いて、LEDを基板の表面に直接取り付けます。
    コスト: 製造コストが比較的低く、一般的に広く使用されています。
    視野角: 視野角が広く、様々な設置環境に対応可能です。
    軽量: 薄型設計が可能で、軽量です。
  • LED素子の色の違い
    LED素子には大きく分けて白色と黒色の2種類の素子があります。
    白色素子は高い輝度がだせる一般的な素子でほとんどの製品はこちらが使用されています。
    黒色素子は輝度は白色に比べ低いもののコントラスト比が高く、締まった黒が表示できます。
    太陽光の影響を強く受ける環境下では白色では反射して見にくくなりますが、黒色は反射しにくく見やすくなります。
  • 各LEDビジョン基板の特性比較
    耐久性: GOB > COB > SMD
    防水性: GOB > COB > SMD
    コスト: SMD > COB > GOB
    輝度・均一性: COB ≈ GOB > SMD


    SMDは一般的な用途に、GOBは過酷な環境に、COBは高密度で高品質な表示に向いています。