ドアノブに触れた瞬間、「バチッ!」と走る衝撃。 冬場になると誰もが経験する「静電気」
これがLEDビジョンにとって最強の天敵(破壊者)であることをご存知でしょうか?「たかが静電気でしょ?」と侮ってはいけません。
人間には少し痛い程度でも、繊細な電子部品にとっては「雷が直撃した」のと同じくらいのダメージを与え、一瞬で故障させてしまうのです。

今回は、意外と知られていない「LEDビジョンと静電気の関係」と、故障を防ぐための具体的な対策について解説します。
なぜ静電気がLEDを破壊するのか?
LED(発光ダイオード)や、それを制御するICチップは、非常に小さな電圧(数ボルト)で動く精密な半導体です。
一方、私たちが冬場に帯電する静電気の電圧は、3,000ボルトから、時には10,000ボルト以上に達することもあります。 この高電圧が、指先などを通じて一気にLEDチップや基盤に流れ込むとどうなるか?
これを「ESD(静電気放電)破壊」と呼びます。 回路が内部で焼き切れ、ショートし、「その瞬間から二度と点灯しなくなる」という致命的な故障を引き起こすのです。
どんな症状が出る?
静電気によるダメージを受けると、以下のような症状が現れます。
- ドット抜け(不点灯): 触った部分のLED素子が死んでしまい、黒くなる。
- 常時点灯: 制御不能になり、常に赤や緑に光りっぱなしになる。
- キャタピラー(毛虫)現象: 制御ICが破壊されることで、信号が伝わらなくなり、「一列すべてが消える」「変な色の線が入る」といった症状が出ます。これが最も典型的な静電気トラブルです。

特に、設置工事中やメンテナンス時に、作業員の指先から放電して壊してしまうケースが非常に多いです。
今日からできる!静電気対策(ESD対策)
高価なLEDビジョンを守るために、必ず守ってほしい「鉄則」があります。

① 必須工事:「アース(接地)」を確実に取る
これが最も基本的かつ重要です。 LEDビジョンの電源工事を行う際は、必ず「アース工事(D種接地工事など)」を行ってください。 筐体や電源ユニットを地面(アース)に繋ぐことで、余分な電気を逃し、過電流や静電気からシステムを守ることができます。 「コンセントのアース線を繋いでいない」は論外です!
② メンテナンス時の服装に注意
修理や点検でパネルに触れる際、「ウール(セーター)」や「フリース」「ナイロン」などの帯電しやすい服は避けてください。 綿(コットン)素材の服が比較的安全です。
③ 触る前に「金属」にタッチ
パネルや内部の配線に触れる直前に、「壁(導電性のある部分)」や「金属の手すり」などに触れて、自分の体から静電気を逃してください。 プロの作業員は、静電気防止手袋(ESDグローブ)やリストストラップを着用して作業します。
④ 室内の加湿(屋内用の場合)
静電気は乾燥すると発生しやすくなります。 屋内設置の場合は、加湿器などで湿度を50〜60%程度に保つことで、発生リスクを大幅に下げることができます。
プロに任せる安心感
「いきなり画面に線が入った!」 というお問合せを受けて調査に行くと、実は「お客様が掃除しようとして、乾いた雑巾で画面を強く擦った(摩擦電気)」ことが原因だった、というケースも少なくありません。
LEDビジョンの表面は非常にデリケートです。 ホコリを払う程度なら良いですが、内部の配線に触れたり、モジュールを脱着したりする作業は、プロでないと非常にリスクが高い行為です。
まとめ:見えない敵からビジョンを守ろう
静電気は目に見えませんが、確実にLEDビジョンの寿命を縮めます。 特に空気が乾燥する冬場は、最大限の警戒が必要です。
株式会社ビットバレーでは、設置工事の際の「確実なアース施工」はもちろん、メンテナンス作業時も専用の静電気対策装備(手袋・シューズ等)を用いて、お客様の大切な資産を守ります。
「冬になってから調子が悪い」「画面に変な線が入った」 そんな症状があれば、静電気によるダメージの可能性があります。


